『そこにしかないもの』

2024-09-11

みなさんは幼いころの夢って覚えていますか?

私は幼いころ、歌手になることが夢でした。

私は島根県出身で、
自宅の100メートル先は海、100メートル後ろは山、というような超自然豊かな村に生まれまして(ド田舎)、
それはそれは平成生まれとは思えないような幼少期を過ごして育ちました。笑

幼い時からメディアに憧れがあったんですが、
実は、めちゃめちゃ内気な性格をしていました。
今みたいにチャラけた人間になるなんて想像もつかないぐらい、恥ずかしがり屋でして、、笑
将来、歌手になりたいという事を、胸を張って言うことが出来ない性格でした。

ある時、当時はやっていたNHKの天才てれびくん(今もやってんのかな?)に、
同世代の子供たちが活躍しているのを見て「あの中に入りたい!!」と強く思ったのを覚えています。

今まで母に自分の夢を打ち明けたことのなかった私でしたが、
その時はおもいっきって、「私もココに出たい!」と思いを伝えました。

母の言葉はこう返ってきました。

「ここは田舎なんだから、無理よ(笑)」

たしかにそうなんです。
最寄りのコンビニにいくまで車で10分はかかるし、雪が降ったら村は孤立しちゃうし、
幼い私でも、ここに住んでいる限り歌手になることは不可能なんだと理解できました。

私は母の言葉を、笑いながら「そっか~」と流しましたが、
幼い自分ではこの現実をどうすることもできないことが悔しくて、ひとりで号泣したのを覚えています。

高校卒業後、上京し国立音楽大学の声楽科へ進学しました。

念願の東京でした。
大学卒業後も、沢山いろんなことを学び、
今は「役者」になりました。

幼いころは、なんで東京で生まれなかったんだろう。
せめて大阪だったら、自分のやりたいことが出来たのに。

なんて、いろんなことを思っていましたが、
今は胸を張って、島根に生まれてよかったっと思っています。

きれいな夕日も、季節が移り変わるかおりや、
雨の降るかおり、雪の降るかおり、早朝鳥のさえずりで目を覚ますこともあれば
汽笛で目を覚ますこともあるし、おだやかな波音も、イノシシの鳴き声も(笑)
祭りの雰囲気も、村が一望できる丘も、

全てが、ここでしか経験できないことだと思っています。

表現者として必要なことを、たくさん経験させてくれて
ここで生まれ育ったことを、とても感謝しています。

なかなか帰省できない世の中になってしまいましたが、
地元を想うと「頑張らなくちゃ」と気合が入ります。

自分の目標を達成できないことを
環境のせいにしてしまう事って、今でもありますが
そういう時こそ一歩引いて、感謝の気持ちを大切にしたいものです。

ご拝読いただきありがとうございました!

English Vocal Election 事務局 小谷

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