カサカサの季節

2024-09-11

近頃だんだんと肌寒くなってきて、あっという間に冬を迎えてしまいそうですね。
この時期になると、特に気になってくるのが乾燥です。
お肌のカサカサも悩みのひとつですが、喉も同じ様に乾燥してくるのがこの季節です。

身体が資本のパフォーマーとして、喉のケアには人一倍気を遣ってきていた僕ですが、特に高校生の頃は神経質な程、自分の喉のコンディションを気にしていました。
今まで様々な方法を調べたり、聞いたりしながら実践してきたので、今回はその様々な方法についてお話ししたいと思います。

まず一番簡単な喉を守る方法としてあるのが、のど飴です。
僕の高校生時代の演劇部は大所帯で70名程いたのですが、その約8割の部員が、龍角散のど飴を持ち歩いていました。
演劇部員と廊下ですれ違うと、ツンとした独特の匂いがするとかしないとか言われるくらい、みんな常備していました。

とにかく喉が乾燥している状態、または乾燥した状態で声を出すことを防ぐ事が、一番のケアになるので、飴を舐めていることはとても効果的だと思います。
他にもプロポリスのど飴や、蜂蜜100%のもの等は、殺菌効果もあるので、僕も愛用していました。

蜂蜜といえば、僕の場合は飴ではなく、蜂蜜そのものも試したことがありました。
ボトルに入ったごく普通の蜂蜜をスーパーで買って学校へ持っていき、喉の乾燥を感じたら、それを舐めていました。
事情を知らない周りのクラスメイトは少し引いていたかもしれませんが、僕にとってはそんなことよりパフォーマンスの方が大切だったので、あまり気にしていませんでした。

特に喉が乾燥してしまう状況というと、寝ている時が挙げられます。
睡眠時は起きている時と違って、喉が乾いてもその都度水分を取ることが難しいので、寝る時の環境を整える必要があります。
まずは湿度を上げること。
冬場は窓は閉め、加湿器があれば一番楽ですが、無ければ寝室に濡れたタオル等を干しておいたり、ビジネスホテルであれば湯船にお湯を張って、シャワー室のドアを開けておくと、すぐに湿度が上がってくれます(火災検知器には注意が必要)。
僕のおすすめは湿度80%以上が安心して眠れる数値だと思いますが、同時に不快指数も上がる事と、冬場とはいえ日中は換気してカビには気をつけなければなりません。
そして首周りはとにかく温かく。
慣れないと苦しいですがマスクをして、口呼吸はなるべく避ける癖をつけます。
眠る前に温かい飲み物を飲むのも良いと思います。
生姜をすりおろして蜂蜜を加え、それをお湯で割るのが僕のおすすめです。

本番直前に気をつける事としては、喉に刺激のある辛いものや、炭酸飲料などは控えていました。
糖分の入っているジュース等も、演奏中にベタベタするので控えた方が良いですし、お茶に関しても、喉の油分を分解してしまい、余計に喉が乾きやすくなってしまう場合があるので、注意が必要です。
そしてミュージカル等、踊りながら歌う場合でも、袖にはけて飲むものは常温の物を用意していました。

いざ公演を控えている時期に喉を壊してしまった時は、一言も声を出さないで喉を休められるように、友達と帰ることも避けてみたり。
音楽を聴いているだけでも声帯は無意識に働いてしまうので、とにかく無音の状況を作ってみたり。
他にも、普段の食べ物にも気を遣って、身体の内側からケアをしてみたり、声が出なくなってしまった時の対処法等、様々な事を実践してきましたが、ここでは全ては語り切れません!

しかしながら、ここまでお読みいただきましたが、この全ての方法を僕が今でも実践しているという訳ではありません。
飽くまで色々実践してみた経験として書かせていただきましたが、実際はこれをやらなくても自身のコンディションを保てるようになりました。
この経験から僕が学んだことは、「自分の身体と向き合うことの大切さ」です。

ひとつひとつの方法が、自分にとって効果があるかどうかはやってみなければ分かりませんでした。
しかしこれを実践しては、自分の身体と向き合って、を繰り返している内に、自分の身体のコンディションのスタンダードが分かるようになってきました。
「今日は少し疲れが溜まっているから、ゆっくり発声練習をやっていこう」
「今日はちょっと喉を使い過ぎたから、友達との会話は控えておこう」
「今日はいつもより調子が良いから、高音域の鍛錬を頑張ってみよう」
普段のコンディションが自分で分かってくると、それに応じて練習メニューも効果的に変えてゆくことが出来ますし、ケアの度合いも適切なものにすることが出来ます。

とにかくがむしゃらに練習をして、技術を高めていくという頑張り方もありますが、時にはゆっくり自分の身体を見つめてあげる事も、意外と目標達成の近道かもしれません。
特に声に関しては、声帯の様子は目に見えない為、全てが自分の感覚頼りになります。
その感覚を研ぎ澄ます努力は、絶対に自身の力になるものだと僕は思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

English Vocal Election 事務局
大川

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