ファルセットとは?裏声との違いや出し方のコツ・練習方法まとめ
この記事でわかること
- ファルセットについて理解することができる
- ファルセットの出し方がわかる
- ファルセットの練習方法がわかる
歌を歌っている方なら、「チェストボイス」や「ファルセット」などというワードを一度は聞いたことがあるかと思います。また、思うように高い声が出ず、どうしたら楽に高音を出すことができるのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ファルセットは、喉の使い方・コントロールを身に着ける技術であり、歌の技術をさらに習得するためにも必要とされる重要なテクニックです。
今回は、ファルセットを習得してレパートリーの幅を広げたい方に向けて、ファルセットとは何か?ファルセットの出し方やコツ、練習方法についてまとめさせて頂きました。歌を始めたばかりの方や、高音域が苦手な方の参考になればと思います。
ファルセットとは?
ファルセットとはイタリア語(falsetto)で、歌手が通常の声域より高い声(高音)で歌う唱法です。高音域に対応するために作り出す声色を発声するための技術で、「仮声」と訳されることもあります。
ファルセットは、声質が柔らかく、優しい響きになるのが特徴の発声方法です。
喉に力を入れすぎず、息をたくさん流しながら柔らかい音質の声を作っていきます。
ファルセットを習得すると、高音でも喉に負担をかけずに歌うことができます。
歌える曲の幅も広がり、優しく切ない声色を作ることが出来るので、グッと表現力も上がります。
ファルセット=「裏声」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
ファルセットと裏声の違い
ファルセットは厳密にいうと「裏声の一種」とされています。
ファルセットは裏声と比べると、より息の量が多く、透明感がある声なのが特徴です。
裏声にもいくつか種類があり、その一つに「頭声(ヘットボイス)」があります。
ヘットボイスは、頭に響かせて発声する技法でオペラ歌手などがよく使って歌います。
さらに超ハイトーンの発声法で「ホイッスルボイス」があり、これを使う代表的な歌手といえばマライアキャリーの名前が挙がるでしょう。
また、「中声(ミドルボイス)」といって、中音域から高音域を楽に出すボーカルスキルがありますが、これらを使いこなすためにも「ファルセット」を習得されると良いでしょう。
ファルセットを出すコツ
ファルセットで発声しようとしても、声をコントロールできず上手く発声できない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
声は、喉にある声帯が振動して音が出ます。
強くてしっかりとした声色(表声と呼ばれる)は、声帯を閉じる筋肉(閉鎖筋群)が働きます。(比較的低音域部分の発声に使われる)
しかし、ファルセットを出すときは、声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)が働くので、声帯を閉じる力が弱くなります。この状態になっていると細くて弱い繊細な声になるのです。
ファルセットで発声しようとしても閉鎖筋群(声帯を閉じる筋肉)が働いていたら、発声することが難しくなりますので、自分の身体に意識をむけて声の出し方を練習しましょう。
ファルセットをきれいに出すためには、以下の3つコツがあります。
腹式呼吸で歌う
腹式呼吸は歌唱や発声の基本です。歌を上手く歌うためにもしっかりとマスターしましょう。
発声するときに、余計な力を抜いてリラックスすることが大切です。
舌筋や声帯の筋肉、表情筋などに力が入ってしまうと、声帯が強く閉まりやすくなってしまうので注意してください。
頭に響かせるようにして声を出す
声はそれほど出さなくても良いのですが、頭の方に声が出ている感覚をつかむのが大切です。
口を「オ」とまるく響かせるような形にして、「FU」と声を出してみてください。そうすると優しく繊細な声が出ます。
咽頭を開く感覚を身につける
喉を開く感覚が身に付くと、ファルセットを楽に発声しやすくなります。
ファルセットの練習方法
ファルセットを練習するときに使える発声方法のポイントをご紹介します。
以下の方法をとり入れることで、全体的に豊かな声色になってきます。
口を立体的に使う音
「ホ」の口の形にすると口を立体的に使うことができ、トランペットのベルのように口の形を作ることで音が遠くに届くようにもなります。
舌をリラックスさせる
舌をリラックスさせて、空気の通り道を作るのがポイントです。
ファルセットの練習をやってみたエピソード
口の形を意識して「ホ」にしてみると、声が響き暖かい声色になるなと感じました。声も発声しやすく、舌もリラックスさせやすいので高音の発声練習をする時に余計な力が入らないのも良いなと思いました。
まとめ
ファルセットは、声質が柔らかく、優しい響きになるのが特徴の発声方法です。
ファルセットを習得すると、喉に負担をかけず高い声の曲を歌えるようになります。
自分の身体の使い方に意識を向けてコツをつかみ練習を重ねることで、歌える曲の幅もグッと増えていきます。